基準とするべく断熱性能の指標とは

現在家づくりを考えている方の中には、断熱等級や省エネ、Ua値やQ値などといった断熱性能に関わる言葉を耳にしている方も多いと思います。

そんな中で、『私たちの家づくりではどこまでの性能を備えれば良いの?』
と何を基準として考えるのが正しいのかを迷われている方が多いのも事実です。

そこで、今回は一つの基準とするべく断熱性能の指標について整理していきましょう。

必ずしも数値が全てではないですが、数値に裏付けされた家づくりは安心感がある。
自分達の中で断熱性能に関わる基準となる数値を一つ持っておくことはとても大事なこと。

国が定める省エネ基準では物足りないのが事実

現在、日本で住宅の温熱性能基準のベースとなっているのが建築物省エネ法による省エネ基準。
昭和55年に制定され、年数が経つごとに改正・強化がされてきており、現在では建築する住宅が省エネ基準の数値を満たしているのかをお施主様に説明することが義務化となっています。

省エネ基準は地域毎に数値が定められていて、私たち空知周辺は1・2地域の対象となっています。
現在定められている省エネ基準は、日本における最低の基準であり、低レベルであるのが事実。

この基準を満たすだけでは、正直言うと物足りない。
家のどこにいても温度ムラが無く、部屋の上下温度差が無いような、健康で快適な温熱環境にすることが出来ません。

省エネの地域区分
引用元:建築省エネ機構

そこで、何を基準とすべきか。
さらに高い性能を設定している指標に「HEAT20」があります。

「HEAT20」 とは「20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」という機関が提唱している断熱性能値です。

HEAT20には3種類の基準があり、G1・G2・G3と定められています。

引用元:一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会HP

1・2地域で『HEAT20 』 G1レベルはUa値=0.34となり、省エネ基準の1.4倍くらいの性能。
G2レベルだとUa値=0.28となり、省エネ基準の1.7倍くらいの性能が設定されています。

さらに、モデル住宅で、ある想定された時間、暖房器具を使用したときに、研究会の研究によって推奨されるこのような体感温度になりますよ、ということも同時に示されています。

引用元:一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会HP

北海道での家づくりにおける温熱性能基準は最低でも 『HEAT20 G2レベル』 Ua値=0.28を目指すことをオススメします。
断熱性能の低い住宅を建てると快適性は確実に落ち、冷暖房費もどんどん膨らんでいき、必ずしも省エネとは言えません。

断熱性能を高めることで、部屋の上下・家全体の温度差が少なくなり、冬には家の中に寒いところができなくなります。
こうした住宅に住むことで、身体の負担が減り、急激な温度変化によるヒートショックも防ぎ、健康で安心安全な暮らしが実現。
初期の設備投資と維持管理コストも抑えることができ、経済的にも地球にも優しい省エネなエコハウスとなるのです。

国の省エネ基準が見直され、このHEAT20に匹敵する等級が定められる動きも見えてきています。

佐々木組では、この基準を満たすための断熱仕様を標準としています。
全棟で、熱計算ソフトを使った断熱性能の計算結果をお客様に提示するようにしております。

実現したい性能のご参考にしてみてください。