合板ショックから見る世界情勢

2021年の春頃から続いている、コロナを要因とした第一次ウッドショック。
アメリカで木材価格がピーク時に平常時の4倍まで値上がりした。

国内では9月がピーク。
そこから高値安定して、構造材不足は解消されつつあるが、高値からは戻らない。
住宅業界に大打撃を与え、今もなおその影響は残っている。

そして今問題視されているのが、ロシア発の合板ショックである。

2022年、ロシアのウクライナ侵攻での経済制裁に関係して、ロシア材の輸入が停止された。
合板の表面にはロシア赤松を使うことが多い。
薄い板として輸入され、国内で合板として製造される。
強度もあり、乾燥もされた状態で輸入されていたので重宝されていたのだ。

それにより、需要と供給のバランスが崩れ、合板入荷の見通しが立たないと危惧している。
値段も平常時から2倍以上だ。

合板は見えないところで使う下地材で、建築に欠かせず多く使われている。
高性能な住宅を創るのにも欠かせない。

近年、国産の針葉樹合板の利用は増えてきているが、それでも輸入木材抜きでは成り立たない。

一難去ってまた一難。
ロシア合板ショックとも言える問題が降りかかっている。

シナ、ラワン合板も不足?

先日、お付き合いのある、家具建具屋さんと合板商社の方とお話する機会があった。

針葉樹合板だけではなく、建具や化粧合板の芯材に使用されているラワン合板も品薄になってきてるとのこと。
さらに、よく化粧用で使われるシナ合板も入荷の見通しが立たなくなってきているようだ。

シナ、ラワン合板も同じく値上がりは避けられない。
驚いたのが、ナラの突板材が今一番安いということ。
国内生産品であるので、海外の情勢に今のところは大きな影響を受けていないよう。

1年で1~2割建築費が値上がりしている

木材関連の問題にとどまりません。
ありとあらゆる原材料が値上げをしている。
鉄やアルミ、塩化ビニールなど全てです。

それにより、輸入原料が平常時より10%位値上がりしている。
平たく言えば1年前から、1~2割建物価格が値上がりしている感覚です。

2500万円で計画していたのが、今では2750~3000万円の見積になる。
3000万円で計画していたのが、3300~3600万円の見積もりになる。

企業努力ではどうにもならないところまで来てしまっている。

すると 計画自体の見直しをする人も出てくることでしょう。
より多く借り入れをするか、建物の大きさやグレードを調整するか。

私たち住宅会社も胸を締め付けられる想いであります。

日本の弱体化

色々と困難な話をしましたが、全てのことは突き詰めて言えば、世界経済は成長しているのに、相対的に弱くなった日本の対比で生じている。

木材価格が高騰し、合板価格も2倍となっている。
この背景にあるのは、日本という国の価値が下がってきているということ。

これは国の構造的な問題です。

短期的には収まらず、この状態が長期化していくものだと覚悟しております。
その中で、私たちには何ができるのか。広い視野を持って進んでいくしかありません。