土地購入前のチェックリスト

暖かい日が続き、気持ちの良い季節が到来。雪の存在もすっかり頭から消えた頃、この時期に活発になるのが「土地探し」ですね。冬の間に目星を付けていた土地の全貌を確認して、購入の決断をする。

私たち工務店にも土地に関する相談が寄せられます。
設計者として、この土地でそれぞれのご家族が理想とする暮らしを創っていけるのか様々な観点からアドバイス。土地の選定で後悔しないためにも、購入する前に工務店やハウスメーカーの設計者に相談するのがオススメです。

ですが、家づくりを依頼する建設会社を決めてから土地を購入するケースは少なく、土地の相談も不動産屋だけで留まってしまうのが普通のようです。不動産屋も土地に関する知識は豊富であるが、そこで建てる家づくりのことまではなかなか踏み込めない。
土地の購入を検討する人は、理想の暮らしを叶えるために土地と住宅に関するある程度の専門知識が必要不可欠であるのが正直なところであります。

そこで、自分でもできる最低限チェックすべきであろう項目がありますので、土地の購入を考えている方々は一通り確認してみてください!土地の良し悪しが見えてきますよ!

設計に影響すること

【道路・敷地・周辺建物の状況】
前面道路や地形や高低差、隣家建物の境界からの離れや高さ等、敷地周辺の変えることができない既存状況を把握しておきましょう。
車の出し入れに問題のない道路幅か、隣家が当敷地に及ぼす影響はあるか。
隣家の屋根の雪がこちら側に落ちてくる、植栽が越境して外壁に干渉してしまった等々、よく聞くトラブルも事前のチェックで回避できます。

【用途地域や建蔽率、容積率】
少し専門的な知識になってしまいますが、用途地域の確認も必要です。
用途地域によって、建蔽率や容積率が決まっているのですが、これが住宅の大きさを制限するものです。敷地面積に対して、建てても良い住宅の面積が法律で決められているのです。
自分達が理想とする住宅の延床面積から逆算して、条件を満たしているかが大切です。

【日当たりは良いか?】
主に南面の開口から太陽光を取り入れる設計が可能かどうかの確認は必要不可欠です。
冬は日射を取り入れて暖房負荷を軽減し、何よりも居心地の良さに直結する。
南側の隣家との離れが十分にとれるか(最低でも6m程度は欲しい)。今は建物が無くても、将来的に建設される可能性も視野に入れて検討しましょう。

【周辺に良い景色・借景はあるか?】
この項目も生活の豊かさに直結する大事な要素であると考えています。
敷地内から周辺を見渡して、緑や自然を感じられる景色があるかどうか。自分の敷地内にも緑を植えてみることもオススメです。

工事金額に影響すること

【水道管は入っているか?】
新しく水道管を入れる費用:20~40万円程度

【水道管の太さは、今の時代(条例)に適合した太さか?13径 20径】
管を入れ替える費用:20~40万円程度

【接地してる道路に下水管が通ってるか?】
簡易水洗式トイレまたは浄化槽費用は、70~100万円程度

【下水道は、敷地内に入っているか?】
道路からの引き込み費用は20~30万円程度

【都市ガスの場合、ガス管は入っているか?】
道路からの引き込み費用は10~20万円程度

【地盤の良し悪し(土地購入前の地盤調査は難しいと思われる)】
地盤改良は杭工事になると60万円~100万円程度

【道路や敷地内段差】
土留めや擁壁:50万円程度 / 深基礎:10~20万円程度

【防火地区・準防火地区に入ってないか?】
網入りガラスなど、建築コストが上がる(2~3万円/坪)

【地型は良いか(5間X4間程度の住宅は建つか)】
建物の形が変形だと、コストが上がる(2~3万円/坪)

【電気の引き込みに問題はないか?】
稀に、他人の敷地に電柱を立てないとならない事がある。

【土地の境界がはっきりしているか?】
境界杭を入れ直す場合、近隣住民の立ち合い及び費用がかかる。

【抵当には外れてるか?】
後々のトラブルを避けるために必ず確認したい。

上物だけではなく、それに付帯する工事もしっかりと理解しておいていただきたい。
蓋を開けてみたら想定外にこんなお金がかかって困った、というのはよく聞く話です。
上記程度であれば土地調査の段階で大体は把握できますので、確認しておきましょう。

これから家づくりを始める人が良い土地と巡り合えることを願っております!